ダービー&シャルデンブラン Cal.ETA.7751ベース
症状:精度不良(遅れ)・ムーンフェイズ不具合
修理内容:オーバーホール、ゼンマイ・パッキン交換、ケース洗浄
修理金額:33,000円
分解しました。ETA製の7751をベースにしたムーブメントで、クロノグラフにトリプルカレンダー、ムーンフェイズを備えたモデルです。トリカレ・ムーンでは最も多いムーブメントかと思います。
組み立てます。裏スケのため地板や受け板に装飾があります。
クロノグラフの場合はリューズの他にプッシュボタンがありますので、どうしても防水性は強くありません。そのため湿気が入りやすく、パーツが錆びたり変色したりします。こちらも個体は綺麗な状態です。
裏面です。写真は分解前のためパーツに汚れが見られます。
ムーンフェイズが送れない不具合がありましたので、パーツを加工します。
ムーンフェイズが時刻と連動するように調整します。ムーンフェイズは日付や曜日とは違う時間に進みますので、早送りする際は注意が必要です。ムーンフェイズと時刻が噛んでいる状態で早送りをするとパーツが摩耗したり、最悪歯が欠けたりします。
6時位置に見えるのがムーンフェイズです。他のパーツは入手出来ますが、ムーンフェイズのディスクはオリジナルデザインの場合がありますので、ディスクの歯が欠けるとメーカーでの修理が必要になることがあります。
ケーシングしてランニングテストします。クロノグラフですが秒針は無いモデルになりますので、精度チェックにはクロノグラフを作動させてテストが必要です。クロノグラフをたまには動かした方が良いかと聞かれることがありますが、どちらでも構わないと思います。注意するのはフライバックがあるモデルは出来るだけフライバックさせない方が良いとお伝えしています。ちょうどブレゲのフライバックモデルのオーバーホールがありますので、また記載いたします。