IWC・ラウンド オールドインター:Cal.852
症状:精度不良・自動巻巻上不良
修理内容:オーバーホール・ケース洗浄・自動巻パーツ交換
修理金額:オーバーホール・27,500円+部品代16,500円 合計44,000円
分解・洗浄を行い組み立てます。オールドインターはCal.8541系が一番多いと思いますが、この852、853もご依頼頂く事があります。どのムーブメントも構造は同じように見えますが、部品によっては互換性がない部分があります。
自動巻ユニットを組み立てます。お問い合わせ頂く不具合でたまにある症状は、自動巻ローターを支えるローター芯の劣化です。摩耗して自動巻ローターが上手く回らない、ローター芯が折れて巻上が出来ない等です。以前はローター芯を作成していたこともありましたが、現在は海外から取寄して交換しています。キャリバーによって高さ等違いがありますので、その都度お見積しています。おおよそ15000円〜20000円程度が目安になります。
こちらの個体はローター芯は使用出来ましたが、巻き上げる爪部分が摩耗して3分の2ほど無くなっていました。この爪部分には粘度の高い時計油を注油しますが、経年で油が劣化しても使用しているとこのように摩耗が進行します。
爪部分は摩耗していても使用できないことはありませんが、交換希望となりましたので、海外から取寄して交換しました。オールドインターのパーツはほぼ国内では入手が困難ですので、海外輸入になります。今回は部品代が16,500円になりました。
IWCやオメガなどのオールドキャリバーのパーツは近年値上がりが続いています。海外輸入は時価になりますので、見積りが必要になります。
修理には海外からの部品の取寄がありますので、通常4週間よりも1〜2週間長くかかります。
今後も修理内容をご紹介いたします。