みなさまこんにちは!松野時計店の野の方です。
ご覧になりましたか。サッカー。日本代表。対ベルギー。私もみなさま同様に録画して朝早く勝手に目が覚めまして、情報をシャットアウトして観ました。勝てると思いました?思いましたよね。もしかしてもしかするのか!奇跡というか偶然と幸運の連続でベスト8!と思いましたよね。
2-0ってのはサッカーではけして気を抜けない状況ではあるんでしょうけど、夢は見たなぁ。所属チームじゃあんなにヤバいベルギー軍団も、代表じゃやっぱそうでもないんだな!フハハ、とか思ってましたよ。でも所属チームじゃ俄然微妙なアフロに決められるのがまた代表戦なんですかねぇ。
最後のコーナーも簡単に上げすぎとか、カウンター対策0じゃんとか、1点目は川島のミス!とか蛍は何しに入ったんだ・・・色々言いたいこともあるんでしょうが、そりゃ無理っすよ。だってワールドカップだもん。がんばったですよ。3戦全敗予想だったのがベスト16ですもん。
感動しましたよ。・・・まあ夜中の3時キックオフに集まってワイワイ観戦してる方々にはゼヒ聞きたいですね、終了直後に。「今どんな気持ち!?ねー、ねー、勝てると思った!?ねー、ねー、どう?今?もしもーし!?ねえ」と。いや、良いんですよ、楽しみ方は人それぞれですから。
でもうちのマンションの上の部屋のやつにはトコトン問い詰めたい。寝てるの、普通の人は。日本代表戦なら500000歩譲っていいでしょう。でもさあスペイン・ロシアの時も超盛り上がってたじゃん。・・・ねー、ねー、どういう気持ち!?ついでに寝てる人の気持ちはどうかな!?ねーねー、ねーってば。サッカーって人を狂わすなぁ。
さて寝不足な私がお送りするのは昭和レトロなシチズンのトリカレと・・・もろもろです。色々修理してますよ。
シチズン トリプルカレンダー 手巻
シチズンのトリカレです。人気あるみたいです。何が良いって表記が日本語で昭和レトロ感が凄いってとこですかね。曜日はまあ日本語はよくありますけど、月が1月、2月ってこのモデル以外見た事がありません。
日付は数字ですけど、7月3日火って表記がいいなぁ。まさに昭和。(土)なんて半ドン感がたまらんですよ。・・・半ドンって知ってます?
手巻
状態としては精度が進む程度でそれ程に致命的な不調はありません。しかし気をつけなければいけないのはこういうモデルです。部品はとうの昔に死滅してますし、万一分解していく過程で不具合が分かっても「元々は調子は悪くなかった」となってしまいがちです。
慎重に作業していきますが、ビンテージウォッチって付き合い方がありますしねぇ・・・。最近はネットのテキトーな情報ってか妄信ってか・・・っていかんいかん、頑張ります。
分解しました
変なコメントがあったりなかったりしましたが、こちらのモデルのオーナー様は以前ご紹介した赤サブのお客様です。赤サブの時もそうでしたが、状態が大変良いです。うーん、やっぱりたまに使う程度ってのが時計には優しいと思います。
が、私も一本君ですしあんまり偉そうには言えませんが、出来れば数本を回してご使用頂くのが吉かと。私もなんか新しい時計買おうかなぁ。・・・修理でご依頼頂く品物で欲しいなってのはあるんですけどね。
これとか
ブライトリング・ナビタイマーですね。かっこいい。また次回にでもご紹介しますが、レマニアムーブです。かっこいい。こちらのオーナー様は以前も紹介したモデル多数で、時計に対する造詣が深いというか、私の好みにピッタリというか。いつもご利用ありがとうございます!また紹介いたします。
完成です
途中も無くいきなり完成ですみません。ゼンマイが鉄ゼンマイでしたので合金に交換して組み立てました。ビンテージの国産でここまで状態の良い個体というのもなかなかありません。シチズンですし、さらにレアです。
本来であればオーバーホールで20000~25000円ですが、顧客様ですし、15000円ぐらいで完成予定です。こういうプライスを公開すると同業社様からやいのやいの言われちゃいそうですが(笑)、地方ですし。静岡ですし。お客様も県内ですし、ご勘弁を(笑)。いつもご利用ありがとうございます!
次はランデロン
ランデロンの48です。手巻のクロノグラフで、今では死滅してしまったメーカーですが、古いクロノグラフでは結構あるムーブメントです。同年代ではバルジューやレマニアがありますね。
ゼンマイ交換
先ほどのモデルもそうですが、鉄ゼンマイでしたので合金製と交換します。鉄は劣化しやすいので純正があれば交換、サイズが合えば代用でも交換しています。代用も無ければそのまま使う事もありますし、デッドストックの鉄ゼンマイを使う事もあります。懐中時計は鉄の場合が多いですね。
穴石交換
歯車を支えている人口ルビーが割れていましたので交換します。部品がくっついているように見えますが、それは・・・
ドナー
左が今回の修理品、右が弊社ストックのランデロンです。穴石交換だといつもはサイズも滅茶苦茶な取り合わせから選んで探して時間もめっちゃかかってますが、今回はドナー個体から外しましたので簡単です。
高さを合わせて挿入すればOK。でも次回同様の穴石交換があると大変です。年数が経つと人口ルビーでも割れる事がありますよ。
穴石も交換しましたので組み立てます
随分前にランデロンの話を書いたような気がしますが、未だに「ランデロン48」とかで検索するとうちが上位に出てきます。しょっぱいブログなのに。
多分ビンテージのクロノグラフでランデロンを記事にするようなお店は少ないのでしょう。そこが隙間だったりする、の?良く分からんですけど、ありがとうございます。こちらのモデルも県外からご依頼頂きました。
組立中です
まずまず順調に作動します。ランデロンは前期・後期がありまして、この前期モデル(多分)はヒゲ持ちが可動式ではありません。ヒゲ持ちが動かないと毎度おなじみ・・・
ヒゲ玉回し
ヒゲ玉を直接回してビートエラーを調整します。ビートエラーが分からない?じゃ、うちのへっぽこいブログを斜め読みすると分かる、かも知れないです。簡単に言えば振り子の左右を均等にしてるって事ですか。
両サイドに同等に振る。・・・ヒゲ持ちが可動式じゃないと修理の時いじってない個体って結構あるんじゃないかと思ったり、思わなかったり。まあめんどくさいですしね、でもやった方が安心です。
完成です
完成です、と言いながらネジ磨きがなぁ・・・。納得いかんですよ。妖怪ネジ磨き先生が推奨するダイヤモンドペーストを使ってみたい。私の使っている研磨剤の5倍ぐらい細かいモノらしいのですごく期待しています。
もちろん良い結果が得られればこちらも個体も磨き直します。・・・うーん、そうなるとクロノグラフはネジが多くて嫌いになりそうです。いや違うな、好きになるのに抵抗があるな。って一緒か。がんばろう。
こちらのランデロンはオーバーホールにゼンマイ・パッキン交換、針も代用で交換して30000~35000円程度で完成予定です。県外からご利用ありがとうございます!
最後にフランクのちょっとした修理
フランクのクロノグラフですが、リューズから水が入ってサビています。
巻芯を外してみる
この状態って分かります?分かんないですよね。リューズ側にエゴエゴのフチみたいのがついてます。これは本来外れてはいけないケース側についているハズのチューブです。サビと劣化でケースから外れてリューズ側にくっついちゃっています。これでは防水性はありません。
チューブを作る
ダメになったチューブがリューズから何とか外れれば新たに代用チューブを作ります。いつものようにSS棒に穴あけ開始。
作りました
左が元のチューブ、右が新たに作ったチューブです。穴を開けて、外径を削ったままでは柔いので焼き入れして研磨してあります。結構手間はかかってるんすよ、意外と。
ケースに叩きこみます
叩きこむぐらいでないと良くありません。本来ならネジ込み式が一番良いのですが元々仕様が違いますので、ごく僅かなすき間にシーリング材を流し込んで装着しています。このシーリングも永久ではありませんのでお水にはご注意を。
叩きこみました
リューズ装着
これで防水を確認しますが、角型のクロノなので非防水扱いの方が良いかと思います。強いハズないですもん。しかしリューズのチューブが外れているのは良くありません。メーカーだとケース交換になるかもしれませんし、下手するとオーバーホールも必須になるかも。
フランクだと、まずケース交換とオーバーホールのコンプリート修理でしょうねぇ。しかしこういう修理をすると社外品ね!とか言われちゃうかもなので、そこをご了承頂ければと。でも元々並行品は修理受付しないというメーカーならお付き合いできる町の時計店を探すのも良いかもです。
純粋に作業内容をメーカーと天秤にってのは微妙ですが、金額や色々柔軟な対応ってのは若干違う、んじゃないかな~、近くに正規代理店があるんで、あんましアレですけど。仲良くしたいですって思ってたけどうちなんて塵みたいなもんだし、( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。
ちょいとばかり話が横道でしたけど、こちらの修理は5000円程度で完成です。塵でもがんばろう。ありがとうございます。
サッカーも終わりか。ブラジルに勝ってマイアミの奇跡再び!ベスト4!なんてのは夢のまた夢でしたけど、ベルギー・ブラジルでしょ。まあ楽しみではあります。というかツールが始まりますよ。ツールでも総合を争うような日本人が出てくればワイドショーでもやってくれる、か?まあ良いです。
フランス人はサッカーもツールもあって大変だしうらやましいな。新城がんばれ。
ではまたシーユーネクストタイム、野の方でした。アディオース!