4月の休業日は2.8.9.12.16.19.23.24.30日とさせて頂きます。

修理ブログ

BULOVA ブローバ Valjoux23のオーバーホール(委託・ネットショップ掲載品)

BULOVA  ブローバ Valjoux23のオーバーホール(委託・ネットショップ掲載品)

ブローバ:Cal.Val23(バルジュー23)

症状:精度不良

修理内容:オーバーホール、ヒゲゼンマイ修正、ケース洗浄

修理金額:33,000円

ネットショップに掲載している委託品のオーバーホールです。ブローバの60年代と思われるクロノグラフです。ムーブメントはバルジューの23で、手巻のツーカウンタークロノグラフです。ケースは18金、コンパクトなサイズです。

オーバーホール前の状態です。写真では分かりませんが、ヒゲゼンマイが変形して2番車に接触しています。そのため異常に進む不具合が発生しています。

修正前

修正後

比べてもほとんど変わりがないように見えますが、円周というか巻き込みの角度を変えてあります。最初に形をある程度整え、組立後に細かく調整します。

古いモデルはヒゲゼンマイが変形していることが多く、精度をある程度に持っていくのはかなり時間がかかります。元々の精度も現行品とは違いますので、許容範囲は広めになります。

分解しました

組み立てます

この年代のムーブメントでは耐ショック機構がないものがありますので、落下等衝撃には十分注意が必要です。このモデルも耐ショック機構はありません。

クロノグラフ機構も乗りました

ビンテージモデルは色々と不具合が起きますので、組み立てながら、ランニングテストをしながら調整が必要です。

チラネジ調整

ヒゲゼンマイを修正しながら精度、ビートエラーを調整していきます。形になってきたら緩急針の位置を中央にセットし、チラ座(チラネジにつける重り)を足す・引くを行い、重さを変えて精度を合わせます。かなり繊細な作業で、個体によっては時間がかかることがあります。あくまで組立時の調整で、この後ランニングさせならが調整します。そのためビンテージモデルは通常よりも調整に時間を頂戴しています。

 

完成しました

ネットショップ・ブローバ https://matsunotokeiten.myshopify.com/products/bulova-%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90-%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%8E%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95-%E6%89%8B%E5%B7%BB-valjoux-23-60%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E8%A3%BD

耐ショック機構も無く、防水もありませんがそれがビンテージウォッチの楽しみ、味になります。ぜひネットショップを御覧ください。

現在オーバーホールは来年1月後半のお渡しとなります。ご了承下さいませ。また修理内容を記載いたします。参考にして頂ければ幸いです。


OMEGA スピードマスター プロフェッショナルのオーバーホール

OMEGA スピードマスター プロフェッショナルのオーバーホール

オメガ スピードマスター・プロフェッショナル:Cal.1861

症状:不動(ゼンマイ切れ)

修理内容:オーバーホール、ゼンマイ・パッキン交換、ケース・ブレスレット洗浄

修理金額:33,000円

オメガ・スピードマスター・プロフェッショナルのオーバーホールです。レマニア社製造の歴史の長いムーブメントで、比較的コンパクトなクロノグラフです。キャリバーは1861で、ロジウムメッキですが、年式によって番号やメッキの色が変わります。

ゼンマイ切れです。手巻でも自動巻でもゼンマイは切れるときには切れます。いっぱいまで巻いても、切れないように途中まで巻いてもあまり変わりません。手巻の場合はいっぱいまで巻いて使用して頂く方が精度は安定します。ただ一日に何回もいっぱいまで巻くのはおすすめしません。

洗浄した後組み立てます。このムーブメントは頑丈で壊れにくい構造ですが、精度はやや広めな印象です。クロノメーター規格ではありませんし、精度よりも頑丈さを主に設計されている感じがします。

クロノグラフ機構まで組み立てました。古いクロノグラフではクロノグラフランナーとミニッツレコーダーのつなぎが上手くいかないモデルもありますが、このキャリバーはそういった不具合は起きにくい構造になっています。

裏面(文字盤側)です。サビはもちろんですが、オーバーホール自体が初めてだったのかキズもありません。非常に綺麗な個体です。

ダイアルと針を取り付けます。これからケーシングしてランニングテストを行います。スピードマスター・プロフェッショナルのムーブメントは頑丈ですが、数が多いため個体差もあります。もし部品交換が必要な場合は別途お見積いたします。

オーバーホールのご依頼も多いモデルですので修理の参考にして頂ければ幸いです。


BREITLING ブライトリング ナビタイマーのオーバーホール

BREITLING ブライトリング ナビタイマーのオーバーホール

ブライトリング:Cal.ETA7750

症状:不動(ゼンマイ切れ)

修理内容:オーバーホール・ゼンマイ・パッキン交換・ケース洗浄

修理金額:33,000円

ブライトリング・ナビタイマーです。ムーブメントはETA7750をベースにしたモデルとなりますが、構造自体は同じです。

分解洗浄後、組み立てます。

ゼンマイが切れていましたので、交換して組み立てます。ゼンマイは消耗品のため、切れるときには切れます。香箱(ゼンマイが入る部品)を分解してゼンマイを取り出して見ると切れるかどうか分かる時もありますが、使用している段階で分かることはありません。

クロノグラフ機構まで組み立てました。

他に交換が必要な部品はありませんでしたので、順序良く組み立てます。クロノグラフの場合はリューズの他にボタンがありますので、防水性は強くありません。10気圧あるモデルでも内部に湿気が入ることがありますので、水・汗には注意が必要です。

裏側です。

このムーブメントも9時~3時の間にカレンダー早送りをすると故障することがあります。先に時刻を確認してから日付を合わせることをおすすめいたします。

ダイアルと針を取り付けます。

クロノグラフは針同士が当たらないように、またなるべく真ん中に来るように取り付けます。

ケーシングの後ランニングテストを行います。ETAベースのムーブメントは部品流通がありますので、修理金額も低価格で行うことが出来ます。修理内容の参考にして頂ければ幸いです。


Frank Muller フランク・ミュラー ロングアイランドのオーバーホール

Frank Muller フランク・ミュラー ロングアイランドのオーバーホール

フランク・ミュラー:Cal.ETA1727-1

症状:定期メンテナンス

修理内容:オーバーホール・パッキン交換・ケース洗浄

修理金額:22,000円

フランク・ミュラー・ロングアイランドのオーバーホールです。手巻き式のスモールセコンドで、非常にシンプルな構造です。フランク・ミュラーは正規品の扱いが細かく、オーバーホールや電池交換(クオーツの場合)も色々と制約があるように聞きます。そのため正規店での修理をおすすめすることもあります。

分解して洗浄しました。

組み立てました。シンプルな構造のため故障も少ないと思います。

裏面です。カレンダーも無くシンプルです。

ダイアルと針を取り付けました。ケースは18Kのため定価はかなり高額なモデルかと思いますが、ムーブメントはシンプルなため修理金額はそれほど高額にはなりません。オーバーホールで22000円になりました。

 

修理の参考にして頂ければ幸いです。


ROLEX Yacht Master CAL.3135 ロレックス・ヨットマスターのオーバーホール

ROLEX Yacht Master CAL.3135 ロレックス・ヨットマスターのオーバーホール

ロレックス・ヨットマスター:Ref.16622 Cal.3135

症状:精度不良(進み)

修理内容:オーバーホール・ゼンマイ・パッキン交換・ケース・ブレスレット洗浄・防水検査

修理金額:27,500円

しばらく修理依頼が立て込んでブログの更新が出来ず申し訳ありません。

修理依頼ではおそらく最も多いロレックスのCal.3135です。非常に優秀なムーブメントで、一部に不具合は出ることがあるものの、定期メンテナンスをして頂ければ長く愛用して頂けるモデルです。精度不良ですが、一日に10秒程進む程度です。

分解洗浄を行い組み立てました。この状態でおおよその精度を出し、ランニングテストを行いながら精度を調整していきます。

裏面です。強いバネで日車を飛ばします。

ダイアル裏面です。ヨットマスターは文字盤がプラチナ製で刻印があります。重い文字盤です。

文字盤と針を取り付けて完成です。

修理期間は4〜5週間頂戴しております。修理の参考にして頂ければ幸いです。